着物初心者におすすめ!「あたらしい着物の教科書」レビュー【木下着物研究所】

レビュー

着物を始めたいけれど何から学べばいいかわからない、そんな初心者の方におすすめなのが「もっと身近に、大人の和装スタイル あたらしい着物の教科書」(木下着物研究所著)です。

この記事では、実際に購入して読んだ私が、本書の内容についてレビューします。


「あたらしい着物の教科書」とは?基本情報

著者:木下着物研究所さんについて

木下着物研究所さんは、YouTubeでも着物に関する有益な情報を発信しておられます。現代的な着物の楽しみ方を提案し、たくさんのファンがいらっしゃいます。

本書の概要

  • タイトル:もっと身近に、大人の和装スタイル あたらしい着物の教科書
  • 対象読者:着物初心者から中級者
  • ページ数:約200ページ
  • 特徴:基本知識から実践的なコーディネートまで網羅

着物初心者の方に本書がおすすめな5つの理由

1. 「教科書」というタイトルの通り、網羅的な内容

本書は着物に関する基本知識から応用まで、まさに教科書のように体系的に学べます。
また、紹介されているコーディネートが本当に上品で素敵なんです。

主な収録内容:

  • 着物の基本知識
  • 着付けの方法
  • コーディネートの考え方
  • 季節に応じた着こなし
  • お手入れ方法 など

2. 実用的なQ&A形式で疑問を解決

着物を着始めると必ず出てくる「些細だけど重要な疑問」も豊富に掲載されています。
例えば、

  • 足袋のサイズ選びのコツ
  • 下着選びのポイント
  • 雨の日の対策法 など

3. 現代的な「衣服としての着物」の考え方

伝統を尊重しながらも、現代のライフスタイルに合った着物の楽しみ方を提案されてるので、着物を始めようという方にも受け入れられやすいのではないかと思います。

4. 毎日着物を着る著者ならではの実践的アドバイス

著者の紅子さんは毎日着物を着用されており、だからこその日常使いの実践的なノウハウが満載です。

5. 優しく寄り添う文章で初心者も安心

堅苦しさがなく、着物初心者に優しく寄り添う文章で書かれているため、読みやすく理解しやすいです。

実際に読んで分かった!役立つポイント詳細レビュー

足袋選びの重要性【見落としがちなポイント】

本書で特に印象的だったのが足袋選びの重要性です。

足袋選びのポイント:

  • デパートの呉服売り場で試し履きができる
  • サイズが合わないと歩きにくい
  • 大きすぎると足が滑る
  • 底と甲の縫い目構造を理解する

足袋って意外と適当に選んではいませんか?私も、適当に選んだ足袋のサイズが合っておらず、「足袋の中で足が滑る」ということもありました。「足に合った足袋を選ぶことが大切」というような情報も、快適な着物ライフには必須ですよね。

現代と昔の着物の違いを理解する

昔ながらの着物には、総柄のデザインや、色柄を多く用いるコーディネートなど、今の洋服とは違ったおしゃれセンスがありました。

「なんとなく古風な気がする」「レトロ感があるな」
これにはきちんと理由があったのですね。
ちなみに私は昔ながらの着物のデザインが大好きです。

現代的なコーディネートが好きな方は、ベーシックカラーで無地に近い柄のものがおすすめだそうです

こういう違いが理解できると、自分の好みや目指すスタイルの明確化へのヒントにもなりますよね。

大事なことだけど、大きな声では聞けないこと

ずばり、下着のラインについても記載されています。
呉服屋さんでも、着付け教室でも、おそらくこの部分を教えてくれる人はあまりいないのではないでしょうか。
その点、本書は親切にも注意喚起をしてくださっています。

着物って、意外とお尻の部分が目立ちますので、下着のラインにも要注意です。

毎日着物を楽しむためのコツ

個人的に目からうろこだった情報がこちら。

体に優しい着方:

  • 疲れた日は伊達締めだけで着用
  • おうち着物のハードルを下げる工夫

雨の日対策:

  • ポリエステル小紋の反物から雨コートを誂える

写真で紹介されている雨コートがすごく素敵なんです。
黒地菊文柄、と紹介されています。菊の柄のサイズはやや大きめで全体に入っていて、色はゴールド系でしょうか。
こういった小物にもセンスが光っていて本当に素敵です。

リサイクル着物を活用したい方へのアドバイス

古い着物を現代的に着こなすコツ

リサイクル着物や譲り受けた着物を現代的に着こなす方法も詳しく解説されています。

ポイント:

  • 帯揚げや帯締めを現代のものに変える
  • 帯選びで印象をガラリと変える
  • 古めかしさから脱却する工夫

これは私のようにリサイクル着物を愛用する方には非常に参考になる内容です。
なんだか心強いですよね。

祖母や母など家族の物語がある古い着物や帯を、自分らしく今らしくモダンに着て受け継ぐこと。これも着物ならではの楽しみ方で、意義深いコーディネートです。

コーディネート紹介

写真を載せると著作権的に問題がありそうなので、文章で表現してみます。

スーツ地ウールの着物

  • 薄いグレーの格子柄の着物
  • 幾何学の名古屋帯(色は黒と青の組み合わせ)
  • 青い帯揚げ
  • 黄色の帯締め

全体的にクールな印象の中、帯締めの黄色が効いていて、すごく素敵なコーディネートです。

初冬に着るピンク

  • 淡いピンクの着物
  • 黒地の華文唐草の帯
  • 着物になじむ色の淡い色の帯揚げ
  • 赤の帯締め。

華文唐草はシルバー系の色がメインになっているように見えます。
淡いピンクと言えば、春に合いそうイメージですが、黒の帯を合わせて冬に着る。
こにぱきっとした赤の帯締め。
本当に素敵です。

本書の注意点

前結び重視の着付け解説

帯の締め方は前結びが中心に解説されているため、後ろ結び派の方は注意が必要です。

こんな方におすすめ

おすすめする方

  • 着物を始めたばかりの初心者
  • 体系的に着物について学びたい方
  • 伝統も大切にしつつ、現代的な着物の楽しみ方を知りたい方
  • リサイクル着物を活用したい方
  • 毎日着物を着てみたい方

まとめ:着物初心者の最初の一冊に最適

「あたらしい着物の教科書」は、着物を始めたい初心者にとって理想的な入門書にぴったりです。

伝統を尊重しながらも堅苦しさがなく、着物を「特別なもの」から「日常の衣服」として楽しむためのヒントがたくさん詰まっています。

私が一番素敵だと思ったポイントは、着物を着たい人たちへ寄り添う姿勢が感じられること。
ふわっと柔らかい空気の中で、着物のことを教えてもらっているような気持ちになります。

着物ライフを始める第一歩として、ぜひ手に取ってみてください。
きっと「着物を着たい!」という気持ちが湧いてくるはずです。


この記事は実際に書籍を購入・熟読したレビューです。着物初心者の方の参考になれば幸いです。

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