「着物を自分で着てみたいけれど、着付けって難しそう…」 「時間がかかって大変そう」 「きれいに着られるか不安」
そんな風に思っていませんか?
実は、着付けは決して特別な技術ではありません。確かに洋服より手間はかかりますが、その時間こそが着物の魅力の一つなのです。
この記事では、着物を初めて5年の私が感じた「着付けの時間を楽しむコツ」を5つのポイントでご紹介します。
着付けに対するハードルを下げ、あなたも着物ライフを楽しめるようになれると嬉しいです。
着付けが「難しそう」と感じてしまう3つの理由
1. 完璧を求めすぎてしまう
着物雑誌やテレビで見るモデルさんの完璧な着付けを目標にしてしまい、プレッシャーを感じてしまうパターンです。
2. 時間がかかることへの不安
着物は洋服に比べて工程が多く、慣れないうちは時間がかかってしまうこと多いですよね。それが負担になってしまう気持ち、よくわかります。
3. 失敗への恐れ
慣れないうちは、「変になったらどうしよう」「着崩れしたら恥ずかしい」という気持ちになることもあります。
でも安心してください。これらの悩みは、考え方を少し変えるだけで解決できるはずです。
着付けの時間を楽しむ5つのコツ
コツ1:着付けを「瞑想の時間」として捉える
なぜ瞑想になるの?
着付けにおいて最も重要なのは、衿元の形づくりや裾合わせです。
- 衿元を整えて紐で固定する
- 裾を合わせて紐で固定する
- 鏡を見ながら全体をチェックする
これらの作業は、高い集中力が必要です。つまり、着付け中は自然と「今この瞬間」に意識を向けることになるのです。
実践のポイント
- 深呼吸をしながら着付けをする(紐がきつくなりすぎません。)
- 一つ一つの動作に意識を集中させる
- 完成時の達成感を味わう
満足のいく着姿が完成した時の気分のすっきり感は、まさに瞑想後の爽快感と同じだと思います。
コツ2:丁寧な所作で「自分をいたわる時間」にする
なぜ着付けが自分をいたわることになるの?
着物を羽織る時、あなたはどんな動作をしますか?
- 襦袢の衿元が崩れないよう、そっと肩にかける
- 袖に腕を通す時は、すっとした滑らかな動作で
- しわやたるみを伸ばす時も、着崩れしないようそっと整える
これらは全て、自分自身を大切に扱う動作だと思いませんか?
お客様への着付けから学んだこと
私が着付けを習っていた時、師匠からよく言われたのが「手の動きを丁寧に」ということでした。これはお客様を大切に思うからこその指導です。
同じように丁寧に自分に着付けをすることは、自分自身を大切に扱うことにつながると思うのです。
実践のポイント
- 急がず、一つ一つの動作を丁寧に行う
- 着物と自分の体を優しく扱う
- 「自分へのおもてなし」として着付けを捉える
コツ3:完璧を求めず「8割の仕上がり」で満足する
なぜ8割で良いの?
着物雑誌のモデルさんと私たちの違いは何でしょうか?
モデルさんの場合:
- プロが着付けしている
- 撮影用で動きが少ない
- 常にお直しできる環境
私たちの場合:
- 自分で着付けする
- 日常生活で動く
- お直しは自分で行う
つまり、完璧を求める必要がないのです。
実践のポイント
- 理想の7〜8割の仕上がりで満足する
- 動けば必ずしわはできるものと割り切る
- 「今日はここまで」という妥協点を持つ
実際に、私の着付けの先生も「自分の着付けで全て完璧だったことはないわよ〜!」とおっしゃっていました。
コツ4:制限時間を設けて「終わりを決める」
なぜ時間制限が必要?
着付けの「完璧主義の罠」をご存知ですか?
- 一箇所気になる部分を発見
- 直そうとする
- 他の部分が気になり始める
- 直そうとする
- さらに別の箇所が気になる
- エンドレス…
これでは、いくら時間があっても足りません(実体験済みです)。
実践のポイント
- 着付けにかける時間を事前に決める
- タイマーを設定する
- 時間が来たら「今日はここまで」と潔く終了する
コツ5:「特別な時間」として着付けタイムを演出する
どうやって特別感を出すの?
着付けの時間は、着物を着る人だけが知っている貴重な時間です。この時間をより特別にする工夫をしてみましょう。
実践のポイント
- お気に入りの音楽をかける
- アロマを焚く
- 綺麗な鏡の前で行う
- 着付け専用の時間を確保する
番外編:「慣れ」が生み出すかっこよさ
手早い着付けのかっこよさ
映画で見た、手早く着物を着付けているシーンがとても印象的でした。鏡の前で慣れた手つきで、さささっと着る姿が本当にかっこよかったのです。
「着付けの時間が日常の一部」になった時に生まれるかっこよさも、また別の魅力ですね。
きっちり感のないこなれた着付け
私の日舞の先生は、着付けの先生のようにきっちり着ているわけではありません。それが逆に着慣れている感じがして、とてもかっこよく見えます。
- 私の着付け:「綺麗に着るぞという気合の入った着付け」
- 先生の着付け:「力みのない軽やかな着付け」
きちんとした着付けも素敵だし、緩くこなれ感のある着付けも素敵。着物には正解がないからこそ、奥が深いのです。
まとめ:着付けの時間を楽しんで、着物ライフを始めよう
着付けを楽しむための5つのコツをご紹介しました。
- 瞑想の時間として集中する
- 丁寧な所作で自分をいたわる
- 8割の仕上がりで満足する
- 制限時間を設けて終わりを決める
- 特別な時間として演出する
着付けは確かに手間がかかります。でも、その時間こそが自分と向き合う貴重な時間になると思うのです。
完璧を求めず、「今日もいい感じ♪」と自分を褒めながら、着物ライフを楽しんでくださいね。
時に着付けがうまくいかず、ストレスを感じることもあると思います。でも、日常生活の中で自分のために少しの時間と手間をかけることは、とても素敵なことではありませんか?
あなたも今日から、着付けの時間を特別な時間として楽しんでみましょう。