久しぶりの着付けの話
先日、約半年ぶりに着物を着る機会がありました。お太鼓結びに至っては約1年ぶりです。
「スムーズに着付けできるかな…」と心配していたのですが、意外にも問題なく着付け完了。30分もかからずに着付けを終えることができました。体が覚えているものですね。嬉しい驚きでした。
そんな久しぶりの着付けで、長年の悩みを解決するヒントを見つけたんです。今日はそのお話をシェアさせてください。
帯がしっかり締まらない…その原因は意外なところに
私はずっと、帯の位置が安定しないことに悩んできました。
着付け教室にも通いましたし、他装(人に着せる技術)も学びました。それなのに、どうしても帯がしっくりこない。時間が経つと徐々に下がってくるような気がするのです。
「もっと力を込めて締めなきゃ」と思って精一杯締めても変わらない。補正を増やしてみると、今度はどっしりとした重たい印象になってしまう…。
原因が分からず、ずっとモヤモヤしていました。
帯をきれいに保つコツとは?
着物の帯を美しく、そして快適に締めるには、帯の下線をしっかり締めることが大切だと言われています。
下はきっちり、上は少し余裕を持たせる。これが、苦しくなく見た目も美しい帯の基本です。
理屈は分かっているつもりでした。でも、実践するとなぜかうまくいかない。何が原因なのか、見当もつきませんでした。
帯板を変えただけで、悩みがあっけなく解決
しかし今回、あるアイテムを変えただけで、すっきりと悩みが解決しました。
それは・・・帯板!!!
これまで使っていたのは「ゴム付き帯板」
私がずっと使用していた帯板は、ゴムが付いているタイプ。最初に通った着付け教室でおすすめされて以来、ずっとこれを使っていました。
↑このタイプの帯板です。
当時の先生からは「ゴムは緩めにして使ってね」と指導されていたので、その通りに使用していました。
でも、ふと思ったのです。「もしかして、このゴムの緩さが原因かも?」
試しにゴムをできるだけ短く調整してみました。でも、やっぱり帯は安定しません。
厚紙の帯板で驚きの変化が
そんな折、着付けの達人として知られる大久保信子さんが、厚紙を帯板として使用していることを知りました。
厚紙ならば簡単に手に入りますし、試してみない手はありません。
手元にあった厚紙を帯板として使ってみたところ…驚きました。
しっかり締まる!
朝から夕方まで、帯が落ちてくることなく一日を過ごせたのです。しかも、着ている間も帯のことを気になることがまったくありませんでした。
これまでの悩みは何だったのかと、拍子抜けするほどの変化でした。
なぜ厚紙の帯板で帯が安定したのか?原因を考察
せっかくなので、なぜ厚紙で解決したのか、自分なりに考えてみました。もし着物に詳しい方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただけると嬉しいです。
考察①:帯板の固さが影響していた
手持ちの市販の帯板(ゴム付き・なし問わず)は、それ自体がかなりしっかりした作りになっています。
力を加えて曲げようとしても、けっこうな反発力があるんですよね。厚紙とは全く違います。
おそらく、商品の耐久性を高めるために、ある程度の強度を持たせているのでしょう。でも、その固さに私の力が負けていたのかもしれません。
ちなみに、使用した厚紙の厚さは0.5mmです。この薄さと柔軟性が、体にフィットしやすかったのだと思います。
考察②:帯板の長さが体に合っていなかった
手持ちの帯板の長さを測ってみると、こんな結果でした。
- ゴム付き帯板:約49cm
- ゴム無し帯板:約43cm
- 厚紙:約39cm
ゴム付きの帯板は、装着すると体の両側面まで届きます。当初は何の疑問も持たずに使っていましたが、今思えば私には長すぎたのかもしれません。
真っ直ぐになろうとする帯板と、胴体のカーブに沿わせようとする私の力。その綱引きで、帯板の方が勝っていたのだと思います。
帯の側面まで完璧に整える必要があるかどうか、一般的にはどうなのか分かりません。でも個人的には、正面部分の帯がきれいに見えれば十分。だから、短めの厚紙がぴったりでした。
まとめ:自分に合った帯板選びが快適な着付けの鍵
「理屈は分かっているのに、なぜ帯がきっちり締まらないんだろう」
そんな疑問を長年抱えていましたが、厚紙1枚であっけなく解決してしまいました。
悩みの原因って、想定もしていなかったところにあるものなんですね。
一般論よりも「自分に合っているか」が大切
一般論(帯板は市販のものを使用する)も大切ですが、それ以上に、「自分に合っているか(長さ、強度的に厚紙で十分)」という部分を見直すことも大切なのかなということに気が付きました。
着物はやっぱり楽しい!試行錯誤も醍醐味のうち
今回の発見を通じて、改めて思いました。
やっぱり着物って楽しい!
うまくいかないことがあっても、工夫次第で解決できる。その試行錯誤そのものが、着物の魅力の一つなのかもしれません。
これからも色々と試しながら、自分らしい着物ライフを楽しんでいきたいと思います。
【この記事のポイント】
- 帯が緩む原因は、帯板の固さや長さにあることも
- 厚紙を帯板として使うと、体にフィットしやすい
- 市販の帯板が長すぎる場合、短めのものに変えてみてもいいかも
- 一般論も大切だが、「自分に合っているか」を見直すことも重要
もし帯の位置が安定しないと悩んでいる方がいたら、ぜひ帯板を見直してみてください。意外なところに解決のヒントがあるかもしれませんよ。

