内向型の自分を責めていた私が、他人にも寛容になれた理由

気付き

自己理解が深まると、世界が変わる

最近、ふと気づいたことがあります。

自分への理解が深まるにつれて、他者へも寛容になれるということ。

「自分を知ること」と「他人に優しくなること」って、一見関係なさそうですよね。でも、私の中では確実につながっていることに気が付きました。

今日は、内向型の性質を理解することで、自分も他人との関係も楽になった体験をお話しします。

きっかけは一冊の本との出会い

きっかけは、内向型に関する本を読んだことでした。

以前、初めて内向型の本を読んで、気持ちが楽になった、ということを書きました。

世界一やさしい内向型の教科書「静かな人」の悩みがちな気質を直さず活かす3ステップ

その後さらにこちらの本を読んでみました。

読み進めるうちに、どんどんとパズルのピースがはまっていく感覚があり、それまでモヤモヤしていた気持ちが、どんどん晴れていったのです。

この本が教えてくれたこと

この本では、とにかく内向型ゆえに起こる悩みは、自分の欠陥ではないと教えてくれます。

「自分を責める必要はないんだよ」というメッセージが、全編を通して伝わってくるのです。

読んでいて、本当に気持ちが楽になっていきました。

前職で感じていた、言葉にできない苦しさ

実は、前職でこんな悩みを抱えていました。

  • 給湯室での雑談に意味が見出せない
  • とにかく人と話したくない

雑談に関しては、決して相手を見下していたわけではないんです。話す価値がないと思っていたわけでもありません。

人と話したくないというのも、本当にエネルギーがなかったから。

声を出すのも疲れるときがあって、「こんなことすらコントロールできないなんて、本当に自分は終わってるな」と思ったことも何度もありました。

自分を責め続けた日々

そして、自分の中で許容できないこと(仕事内容)が重なり、退職に至りました。

この決断をしたとき、本当に自分を責めました。

「社会人失格だ」 「社会不適合者だ」 「なんでこんなにわがままなんだろう」

そして、こんな諦めの気持ちでいっぱいになりました。

「もう私は社会の中で生きていくのは無理だ」 「これから生きていく方法を考えなきゃ」 「でも私には何もない」

このときは、同じ課の人たちが大嫌いで、自分のことも大嫌いでした。

仕事はできるだけ手を抜き、気持ちは常に沈んでいて、どぶの中にいるような毎日。この時期ほど、人間が嫌いになった時期はありませんでした。

(そんな中でも、一部の人たちには本当に良くしてもらい、人とのつながりを大切にしようと思ったのもこの時期です)

原因は「脳のシステム」だった

前職で感じていた私のストレスは、意外にも内向型の性質によるものだったのです。

「自分がダメだから」じゃなかった。脳のシステムの違いだったんですよね。

内向型に見られる性質とは

例えば、内向型の人に見られる性質には、以下のようなものがあります。

  • 伝えるべきことがあるときだけしゃべればいいと思っている
  • 相手をより深く知りたがるから雑談が苦手
  • 自分のしていることに意味を見出したいという願望が強い原動力となる

これを読んだとき、「あ、そういうことか」と思いました。

雑談が苦手な理由が分かった

例えば、雑談。

確かに、その場限りの雑談は苦手です。でも、相手のことを知ることができるような話は楽しめるんですよね。

ということは、相手を知ることができるような会話を織り込めば、雑談も楽しめるわけです。 (もちろん、個人的な話を避ける方もいるので、その辺は状況に応じて調整が必要ですが)

仕事を続けられなかった理由も納得できた

仕事に関しても、他の人はなんなく続けているのに、私はギブアップした。

その事実がまた自分を責める一因だったのですが、それは単にその仕事に対して、私が意味を見出せなかったから

だから頑張れなかった。ただそれだけのことなのだと、今は理解しています。

目からウロコだった、エネルギーの使い方

本の中で、特にはっとしたのがこの2つです。

「誘いを断るとき、『残念です』と言わないことで、相手に次回への期待を抱かせない」

「あなたのエネルギーを勝手に使う権利は誰にもない」

断り方にも工夫が必要

断るときは、礼儀として「残念です」と伝えていました。

でも、次回も行く気がないのに「残念」と言うのは、逆に失礼なのかもしれない。新たな視点を得ることができました。

内向型のエネルギーが奪われる仕組み

そして、エネルギーの話。

外向的な人は、話すことでエネルギーを得るのだそう。一方で内向型は、話しかけられることが逆にストレスになる場合があります。

つまり、外向型のエネルギー補給のために、言い方が悪いですが、内向型が利用される場合があるというのです。

話をしていて疲れるような相手であれば、自分を守るため、「私のエネルギーを奪わないで」という気持ちでそっとその場を離れる。そういう考え方もあるのだなと思いました。

もちろん、たまには人と関わることも大切です。その匙加減を探りながら、自分にとってベストな生活を見つけていけばいいのかなと感じています。

「性質」だと理解すると、対処法が見えてくる

私は、内向型の性質によるものだと知らず、とにかく自分を責めていました。

今でも、単なるわがままなのか、性質によるものだと受け止めていいのか分からない部分はあります。

それでも、自分を責める頻度はぐっと少なくなりました。

内向型が抱える最大の問題

本にも書いてありますが、内向型の人が抱える大きな問題は、自分をよく理解できず、自分には欠陥があると思いがちなことだそうです。

私が伝えたいのは、決して開き直ることを推奨しているわけではありません。

ただ、単に自分を責めるのではなく、「性質によるもの」だと一旦受け止めて理解できれば、今後どう対応したらいいのか、どういう生き方を選べばいいのか、光が見えてくると思うのです。

私が取った具体的な対策

私の場合、少なくとも人と話すエネルギーは保持できるように、健康や睡眠時間に気を配るようになりました。

自分のエネルギー量を把握して、それに応じて予定を組む。無理のない範囲で人と関わる。

こういった工夫ができるようになったのです。

自分を許せると、他人にも寛容になれる

そして、私が最も感じたメリットが、他の人へも少し寛容になれたということ。

これは予想外の収穫でした。

理由①:みんなそれぞれ事情がある

ひとつは、私が自分を責めていた要因の一つが性質的なものであったように、他の人もそれぞれ事情があるのだと理解できたこと。

例えば母に対して、「う〜ん」と思っていたことも、「きっとそういうシステムなのね」と理解できるようになりました。

当然、イライラすることも減りました。

理由②:自分OK、相手OKの状態に近づけた

もうひとつが、自分を許せるようになったことで、他人にも寛容になれたことです。

自分を責めているときは、気分が沈むし、どうしても人に優しくなれないと思います。

自分に優しくなれたことで、自分もOK、相手もOKという状況に、少し近づけたような感じがするのです。

寛容さが生む、いい循環

他人に寛容になれると、まず他人の優しさに気づくことができます

すると、感謝の気持ちが湧いて、嬉しくなる。自分も優しくなろうと思える。

寛容な対応ができる自分を感じて、さらに気分が良くなる。

以前に比べて、断然、いい循環の中に身を置くことができるようになったと実感しています。

まとめ:内向型の性質を知ることで、生きやすくなる

もしあなたが内向型で、日々もんもんと悩んでいるなら、一度立ち止まって考えてみてください。

その悩みは、本当にあなたの欠陥によるものでしょうか?

もしかしたら、ただの脳のシステムの違いかもしれません。

自己理解は、人生を変える第一歩

自分の性質を理解することは、自分を甘やかすこととは違います。

むしろ、適切な対処法を見つけるための第一歩です。

そして不思議なことに、自分を理解し受け入れられると、他人に対しても優しくなれる。人間関係も楽になる。


【この記事のポイント】

  • 内向型の悩みは性質によるもので、自分の欠陥ではない
  • 雑談が苦手、意味を見出せない仕事が続かないのも、脳のシステムの違い
  • 自分のエネルギーを守ることは、わがままではなく必要なこと
  • 自己理解が深まると、他人にも寛容になれる
  • 自分OK、相手OKの状態が、いい循環を生む

内向型の性質を理解して、もっと楽に、もっと自分らしく生きていきましょう。

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