リサイクル着物を着て、人が集まる場所へ行く勇気
先日、地元で開催されている公開茶会に参加してきました。
今回、私は一つの挑戦をしてみたんです。それは、「着物を着ている人が多い場所に、着物を着て出かける」こと。
「それって普通のことでは？」と思われるかもしれません。でも私にとっては、ちょっとした勇気が必要な挑戦でした。
なぜなら、私が着ているのはリサイクル着物ばかりだからです。
リサイクル着物コンプレックス、ありませんか？
こういう場で気後れしてしまう理由が、私にはあります。
それは、リサイクル着物ばかり着ているということ。「リサイクル着物コンプレックス」とでも言いましょうか。笑
一応、自分用に仕立てた着物は持っています。でも、もったいない病が発動してしまって、気軽に着ることができないんですよね。
リサイクル着物を着るようになったきっかけ
元々は、祖母が所有していた着物を着ることを目的に、着付け教室に通い始めました。
でも、「汚してダメにしたらどうしよう」という不安があって。それに、着物の可愛さに目覚めてしまったこともあり、新たにリサイクル着物を買い足して、そればかり着るようになっていました。
私の好みは、古典柄や総柄の、いわゆる「昔の着物っぽい」デザイン。そういったものをよく着ていたのです。
ある日の出来事が、トラウマに
最初の着付け教室に通っていたときのこと。
着付けの先生に連れられて催事に参加したのですが、そこで帯揚げをゴリ押しされる事態になってしまいました。
「どの着物に合わせるんですか？」なんて会話もなく、ただひたすらゴリ押ししてくる。その姿にドン引きして、私はなんとかお断りしました。
そのあとです。
先生から言われたんです。「せっかくこういう場に来ているのだから、昔の着物と今の着物、違いを知ってね」と。
心に引っかかった一言
もしかしたら、単純に「視野を広げてね」という意図だったのかもしれません。
でも私は、直感的に「嫌味かな」と感じてしまいました。
だって、言われなくても、昔の着物と現代の着物の雰囲気が違うことくらい分かります。リサイクル着物を着ている私への当てつけのように聞こえてしまったのです。
それからというもの、色々と気にしすぎてしまう自分がいました。
ネットで検索しては、「リサイクル着物を着るなんて貧乏くさい」という意見を目にして落ち込んだり。「やっぱり誂えの着物じゃないと恥ずかしいのかな」と自信をなくしたり。
そんな経験から、少なくとも着物を着た人がたくさん集まる場所には、洋服で行くようになっていました。
勇気を出して、茶会にリサイクル着物で参加してみた
そして今回のお茶会です。
一般の方でも参加できて、どんな服装でもOKという趣旨の会でした。
初めての参加だし、まずは様子見として洋服で行くことも考えました。でも、せっかく着物を着ることのできる機会。
えいっと勇気を出して、リサイクル着物を身に纏って参加してみることにしたんです。
結果は…全く問題なし！
結論から言うと、全く問題ありませんでした。
正直、直前に帯を変えたこともあって、コーディネートとしても微妙な出来だったと思います。それでも、意外なほど他の人の目線が気になることはなかったんです。
心配していた「じとっとした視線」や「見定めるような視線」を感じることは一切なし。むしろ、私の着物なんて、みなさんの視界にすら入っていないような感覚でした。
思っていたよりも、ずっとさっぱりした雰囲気だったのです。
みんな自分のことで精一杯だった
冷静に周りを見てみると、私も含めて、みなさんお茶席の確保に忙しそう。
逆に言えば、私も他の方の着物コーディネートをじっくり見る時間なんてないくらい、お茶の方に興味津々でした。
そうなんです。結局、変に自意識過剰になっていただけだったのです。
気づいたこと：リサイクル着物への偏見は、自分の中にあった
今回の体験を通じて、大切なことに気づきました。
リサイクル着物だからと引け目を感じていたのは、実は私自身だったということ。
周りの人は、思っているほど他人の着物を気にしていない。それぞれが自分の楽しみや目的を持って、その場にいるんですよね。
「誂えじゃないとダメ」は思い込みだった
もちろん、格式高い場所では着物の種類やTPOを考える必要があります。
でも、一般的な茶会やお出かけの場で、リサイクル着物がダメということはないはず。
ネットで見た「貧乏くさい」という意見も、一部の人の考えに過ぎないんだ、と実感しました。
大切なのは、着物を楽しむ気持ちと、場にふさわしい装いかどうか。新品かリサイクルかは、本質的な問題ではないんですよね。
これから：少しずつ、挑戦の場を広げていきたい
今回の経験で、なんだかホッとしました。
肩の力が抜けたというか、変な緊張から解放された感じです。
これからは、この調子で、少しずつでも今まで着用をためらっていた場所に挑戦してみようと思います。
リサイクル着物の魅力を再確認
ちなみに私が思うリサイクル着物のよさとは、
- 気軽に色々なデザインを楽しめる
- 汚れを気にしすぎず、普段使いできる
- 古典柄や昔ながらの雰囲気が好きな人にぴったり
- 価格が手頃で、着物ライフを始めやすい
こういった魅力を、もっと堂々と楽しんでいいんだと思えました。
まとめ：リサイクル着物を着ることは、恥ずかしいことじゃない
もしあなたも、リサイクル着物を着ることに負い目を感じているなら、伝えたいことがあります。
リサイクル着物を着ることは、全く恥ずかしいことじゃありません。
周りの人は、思っているほどあなたの着物を気にしていません。それよりも、その場を楽しんでいるあなたの姿の方が、ずっと素敵に映っているはずです。
私のように「着物を着ている人が多い場所は避けよう」と思っている方がいたら、ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。
きっと、思っていたよりも気楽に、着物を楽しめることに気づけると思いますよ。
【この記事のポイント】
- リサイクル着物を着ることへの引け目は、自分の思い込みかもしれない
- 周りの人は、思っているほど他人の着物を気にしていない
- 大切なのは着物を楽しむ気持ちと、場にふさわしい装いかどうか
- リサイクル着物には、気軽に楽しめる魅力がたくさんある
着物は、もっと自由に、もっと気軽に楽しんでいいもの。これからも、自分らしい着物ライフを楽しんでいきましょう！
