海外経験から生まれた日本文化への想い
着物に対する考え方を語る前に、まずは海外経験についてお話しさせてください。
私は、高校生の頃から洋楽や海外ドラマに夢中になり、いつかは海外で生活したいと憧れていました。そんな私がカナダの語学学校で体験した出来事が、着物や和の文化に対する考え方の原点となったのです。
あるとき、授業で各自の母国について話し合う時間がありました。その時、他国出身のクラスメートが「日本のテクノロジーは本当にすごい」と心から褒めてくれたのです。
二人が目を輝かせながら日本について語る姿を見て、初めて自分が日本人であることに誇りを感じました。
それまで海外の文化ばかりに憧れて、日本の良さに全く目を向けていなかった私。この経験が、後の着物に対する考え方に大きな影響を与えることになります。
着物に対する考え方の原点|奥深い日本文化との出会い
カナダから帰国後、様々な道を模索する中で着物と出会いました。そこから現在まで続く、着物に対する考え方が形成されていったのです。
着物について学べば学ぶほど、その奥深さに本当に驚かされます。時には気が遠くなるほどの深さに圧倒されることもありました。しかし同時に、こんなに素晴らしい日本文化が詰まったものを一部の人だけのものにしておくのは、あまりにももったいないという想いが強くなりました。
例えば、沖縄の琉球紅型や琉球花織、奄美の大島紬、京友禅と加賀友禅、そして絣。同じ「着物」という名前でも、地域によって全く違う特徴があることに深い魅力を感じています。
また、着物に描かれている紋様一つひとつに意味があることを知った時は、なんてロマンチックなのだろうと感動しました。
さらに、着物の地の色についても、まるで同じ色は存在しないのではないかと思うほど、微妙に異なる色で染められていますよね。これらすべてが、私の着物に対する考え方を豊かにしてくれています。
リサイクル着物に対する考え方と愛用する理由
ここで、私のリサイクル着物に対する考え方について正直にお話しさせてください。着物愛好家の方の中には、リサイクル着物をよく思わない方もいらっしゃることは承知しています。
私がリサイクル着物を愛用するのは、「着物をなるべく気軽に楽しみたい」という考え方に基づいているからです。
私の着物への第一歩は、祖母の遺してくれた着物でした。その後、着物の魅力に取り憑かれ、リサイクル品を買い漁った時期もありました。
着物を見ているだけ、鏡の中で合わせるだけで幸せな気分に浸れるんです。
ただ、ある着付けの先生から「昔の着物と現代の着物の違いを知ってね」と言われた時は、少し複雑な気持ちになりました。
それでも、私の着物に対する考え方の基本は変わりません。着物も洋服も、私にとってはあくまで衣服です。洋服に何十万もかける余裕がないなら、和服にも同じようにはかけられません。
自分のできる範囲で楽しむことが、私の着物に対する考え方の核心です。
着物沼の段階的プロセス|私なりの考え方
「着物が廃れるのが嫌なのに、リサイクル着物しか着ないのは矛盾では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、私なりの着物沼に対する考え方をお話しします。
私は、着物沼には段階があると考えています。
まず、①着物に興味を持ち、次に②着物の着付けを習得して、とにかく着物が欲しくなり、そして③着物にも慣れてきて、自分の誂え着物が欲しくなる。これが私が辿ってきたルートです。
「着物に興味がある!よし、道具や小物を揃えて、着物と帯を買っちゃおう!全部で数十万?OK!」そんな人が、今の日本にどれくらいいるでしょうか。
将来的に着物を着る人が少しでも増えて、着物業界の衰退を防ぐには、最初の第一歩はできるだけ小さくした方がいいという考え方を持っています。損をして得を取るという考え方に似ているかもしれません。
はじめはリサイクル着物で業界の盛り上がりには直接貢献しなくても、そこから着物ファンが増えて、最終的には着物をあつらえる人が増える。結果的に着物業界への貢献につながるというサイクルができればいいのではないでしょうか。
着物への想い|これからの考え方
リサイクル品のコーディネートを着ている私でも、道でお褒めの言葉をいただくことがあります。中には、勇気を出して声をかけてくれたのかな?と思った若い女の子もいました。
着物って、本当に人の心を動かすような魅力があると思うのです。着ているだけで喜んでくれる人がいるんです。この経験が、私の着物に対する考え方をより確信的なものにしてくれました。
私にできることは限られていますが、これからも大好きな着物に関わりながら、自分にできることをしていきたいと思っています。
内容はまだまだ詰めが甘い部分がたくさんあると思います。中途半端な記事もたくさんあります。それでも、これから精進していくつもりですので、暖かく見守っていただけると嬉しいです。
まとめ:着物に対する考え方が教えてくれること
長くなってしまいましたが、以上が私の着物に対する考え方です。海外経験を通じて日本文化の素晴らしさに気づき、着物の奥深さに魅了され、そして多くの人に着物の魅力を知ってもらいたいという想いに至りました。
リサイクル着物に対する考え方についても、賛否両論あることは承知しています。それでも、着物を気軽に楽しめる入り口として、その価値を信じています。
着物に対する考え方は人それぞれ異なるでしょう。しかし、着物が持つ人の心を動かす力、日本文化の美しさを伝える力は、誰もが認めるところではないでしょうか。
これからも、私なりの着物に対する考え方を大切にしながら、着物文化の継承に少しでも貢献できればと思っています。皆さんにも引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。