着物を自分で着たいと思ったとき、
・着付け教室に通うか
・独学で習得するか
の二通りの手段があると思います。
着付け教室に通う場合は、必要な道具は先生が教えてくれるでしょう。
独学で学ぶ場合は、まず着付けに必要なものを調べることから始める方が多いと思います。
初心者の方向けの着付け道具セットなども販売されていますが、初期費用を抑えたい方向けに、必要な道具と、その代用品について調べてみました。
着付けに最低限必要とされる道具
足袋
これは、ご購入ください。
肌襦袢
長襦袢の下に着用します。このようなものです。
洋服の場合でいうと、汗や皮脂を吸い取るインナーのような役割でしょうか。
個人的には、「まぁなくても差支えはないかなぁ」という存在です。
思い返すと、私自身はもうしばらく着ていません。
夏は暑いので肌襦袢の代わりにエアリズムなどのキャミソールを着用しています。
冬は寒いので肌襦袢ではなく暖かいインナーを着用しています。
暑くも寒くもない時期は、半襦袢(肌襦袢に衿が付いたもの)を着用するので肌襦袢は着ていません。
半襦袢は、このようなものです。
しいて言うなら、日舞のお浚い会のとき(しかも暑くも寒くもない時期)に着るくらいでしょうか。
裾除け
通常は肌襦袢とセットで着用します。このようなものです。
肌襦袢を省く派の私でも、裾除けは省きません。
素肌に直接長襦袢が触れるのは、少々汚れが気になります。
また、裾除けは足さばきをよくするという役割もあるそうです。
ポリエステル製のものと綿製のものを試してみましたが、ポリエステル製の方が好みでした。
足にまとわりつきませんし、皺にもならないのでお手入れが簡単です。
昨年は、夏用にステテコのようなパンツを購入してみました。
汗を吸ってくれる感じがあってよかったです。
あと、謎の安心感があって、秋くらいまで履いていました。笑
(私は親の教育のおかげで、スカートを履く際は必ずスパッツ系のインナーが欠かせません。)
腰ひも
さほど高くもないので買いましょう。
私が持っているのはモスリン製です。(モスリンが一番無難だと思います。)
長襦袢で1本、着物で2~3本使用します。
(衿元の固定とウエストの固定で各1本ずつ、おはしょり部分の処理に必要な場合はプラスもう1本)
名古屋帯でお太鼓結びをする場合は追加で2~3本。
(方法によって必要な本数が変わります。私は3本使用しています。)
半幅帯を合わせる場合は、結び方にもよりますが、必要ない場合が多いと思います。
腰ひもを最低限で済ませたい場合は、半幅帯から入るのもありです。
着付けクリップ
洗濯ばさみで代用されている方もいるようです。
練習や普段着くらいであれば、たしかに洗濯ばさみでも問題ないような気がします。
私は最初から着付け教室に通ったので、洗濯ばさみを持っていく勇気はなく、最初に購入しました。
(着付けクリップは挟む力が強く、また、クリップの内側にゴムが付いているので生地を傷めません)
伊達締め
博多織(正絹)がメジャーだと思います。
新品でもメルカリなどで安く販売されています。
私は着付けを習い始めてから1年くらいは博多織の伊達締めを使用していました。
今は、メッシュ性のマジックテープがついた伊達締めを使用しています。
おそらく本来は浴衣用だと思うのですが、蒸れないし便利なんですよね。
ゴムが入っているので伸縮性もあり、苦しくありません。
このような、ウレタン製の伊達締めもあります。
私が購入したものは、時間とともにゴムが劣化してポロポロ落ちてきてしまいました。
ご購入の際は、口コミなどよく確認されることをおすすめします。
帯枕(名古屋帯の場合)
主に袋帯や名古屋帯でお太鼓結びをする際に使用します。
代用品として、ガーゼでスポンジを包み、帯枕にする方法もあるようです。
帯枕自体は、帯揚げで隠れてしまうので、「帯の形をキープする」目的が果たせるのであれば、確かに問題はないですよね。
これだったら数百円で済ませられますし、好みのやわらかさのスポンジを選ぶこともできます。
自分用にアレンジができてよさそうです。
興味のある方は、作り方をネットで検索してみてください。
私もいつか試してみたいと思っている代用アイデアです。
帯板
帯板を入れることで、帯にハリが出て、かっこよく決まります。
代用品として、厚紙や、プラスチックの板で帯板代わりにする方法もあるようです。
「帯の前面のしわを防ぐ」が目的であれば、厚紙やプラスチックの板でもなんら問題はなさそうな気がします。
帯板の代用品についても、実際に試した方のレビューがありますので、ぜひネットで検索してみてください。
※半幅帯の時も、帯板を使用した方が、仕上がりが綺麗です。
私の経験談
私は最初から着付け教室に通いました。
なので、代用品は使用せず、教室から指定された道具を準備しました。
肌襦袢と裾除けは祖母が残してくれたものを使用し、その他は新しく買い足しました。
教室から指定されたゴムベルト類や、先生お勧めの補正アイテム、ワンピース型の肌襦袢など、結局必要のなかった買い物もそれなりにありました。
まあ、そういったアイテムは試してみて初めてわかることですし、色々試す楽しさもありますからね。
注意点
これはあくまで、「自分で自分に着付けをする場合」の話です。
着付け師の方に着付けをお願いする場合は、着付け師の方の指示に従って必要なものをご準備ください。
また、フォーマルな場に着て行く場合は、着付け道具も原則に忠実が無難だと思います。
もっと着物を気軽に楽しめますように。