今回は、私の着物に対する考えや思いを述べたいと思います。
海外向けのブログ
実は、着物のことや日本のことを世界に向けて発信したいと思い、もうひとつ、海外向けのブログ(「和ブログ」と呼んでいます)を運営しています。
本を見ながら素人が作ったサイトなのでダサいといえばダサいのですが、そこは目をつぶっていただけると嬉しいです。
着物や日本文化に関することや、自分が体験したことで、海外の方たちにも共有できそうなことは、引き続きこちらの和ブログで更新していく予定です。
英語の下に日本語を併記しているので、ご興味があれば読んでいただけると喜びます。
海外で気付く日本の良さ
先に、「着物のことや日本のことを世界に向けて発信したい」と述べましたが、もう少し詳しくお話をさせてください。
私は高校生くらいの頃から洋楽にはまり、洋画や海外ドラマを見ながら、いつかは海外で生活がしたいと思っていました。
その頃の話と、少しカナダに滞在した話は別の記事でお話していますので、よかったら読んでいただけると嬉しいです。
さて、カナダの語学学校に通っていたとき、授業の中で、各々の母国のことを話しましょう、という時間がありました。
私はスイス出身の人とブラジル出身の人と同じグループで、正直、私は何を話せばいいのかわかりませんでした。
そのとき、「日本のテクノロジーは本当にすごいよ」と二人が褒めてくれたのです。
(実際はもっと具体的に褒めてくれたのに詳細を失念してしまいました)
2人で「すごいよね」と言い合っている姿を見て、初めて、自分が日本人であることを誇りに思いました。
海外の文化に憧れ、生活スタイルに憧れ、日本のよさには全く目を向けていなかった、私が。
これは、これからもずっと忘れられない出来事だと思いますし、カナダで得られたかけがえのない経験です。
着物や日本文化の魅力
カナダから帰国後、いろいろな道を模索していく中で、着物に出会い、今に至ります。
着物のことをもっと知りたい!そう思って勉強をすればするほど、その奥深さに驚かされます。深すぎて、気が遠くなったこともありました。それと同時に、こんなに日本の素敵な文化が詰まったものを、一部の人の中だけにとどめておくなんてもったいない、ましてや、廃れさせるなんて本当に勿体なさすぎるとも強く思いました。
沖縄の琉球紅型や琉球花織、奄美の大島紬、京友禅と加賀友禅、そして絣。
同じ「着物」でも、地域によって違う特徴があるなんて、本当に面白くないですか?
日本には、とても覚えられないほどたくさんの技術が存在しています。
着物に描かれている紋様にも、それぞれに意味があることを知った時、なんてロマンチックなのだろうと思いました。
あとは着物の地の色。「同じ色はないのではないか」と思うくらい、微妙に異なる色で染められていますよね。これも、日本人が持っている繊細な感覚を活かして、その違いを表現することができる職人さんがいるからですよね。
こんなにたくさんの誇れる技術を、世界中の人にも知ってほしい。
そう思って、もうひとつのサイトを立ち上げました。
内容はまだまだ詰めが甘い部分がたくさんあると思います。中途半端な記事もたくさんあります。これから精進していくつもりですので、暖かく見守っていただけると嬉しいです。
リサイクル着物について
リサイクル着物を愛用していることについて
このサイトを見てくださっている方の中には着物愛好家の方もおられるかもしれません。
私は主にリサイクル着物を愛用しております。そのことについて、自分の気持ちをお伝えしたいと思います。
私は、「着物をなるべく気軽に楽しみたい」と思っています。もう一つのサイトでも、その方法を伝えるために作りました。
私が販売している着物も、リサイクル品です。
着物愛好家の中にはリサイクル品をよく思わない方もいらっしゃると思います。
実際に、ネット上ではリサイクル着物に対するネガティブな書き込みを目にしたこともあります。
また、正式な小物類を使わずに、身近なもので代用することを世界に発信していることについて、よく思わない方もいらっしゃるかもしれません。
リサイクル着物は、あくまで入口
私自身、着物への第一歩は祖母の遺してくれた着物でした。
着物自体に魅了され、もっと着物が欲しいと思い、リサイクル品を買い漁った時期もありました。
着物を見ているだけ、鏡の中で合わせるだけで幸せな気分に浸れたのです。
ですが、ある着付けの先生に催事に連れて行ってもらった際、「昔の着物と現代の着物の違いを知ってね」と言われたことがありました。「古臭いと思われていたのかな」と悲しくなったことを覚えています。
かと言って呉服屋さんで誂える財力はありません。
私の中で、着物はあくまで衣服であり、基本的な考え方は洋服と同じです。
洋服に何十万もかける余裕がないなら、和服にも何十万もかけることもしません。
自分のできる範囲で楽しむのがポリシーです。
「着物が廃れるのが嫌なのに、リサイクル着物しか着ないのは矛盾では?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
もう少し、私の話にお付き合いください。
着物沼ルート
私は、着物沼にも段階があると考えています。
①着物に興味を持ち
②着物の着付けを習得して、とにかく着物が欲しくなり
③着物にも慣れてきて、自分の誂え着物が欲しくなる
これは私が辿ってきたルートです。
ある程度着物に着慣れてくると、自分用に誂えた着物や帯が欲しくなる時がくるはずです。
(持論ではありますが、私は一般的な考えを持つ一般人ですから、きっと同じような考えの人も多いはずです。)
「着物に興味がある!よし、道具や小物を揃えて、着物と帯を買っちゃおう!全部で数十万?OK!」
そんな人が、今の日本にどれくらいいるのでしょうか。
将来的に少しでも着物を着る人が増えて、着物業界の衰退を防ぐには、最初の第一歩はできるだけ小さくした方がいいと思っています。
損をして得を取る、と似た考えで、はじめのリサイクル着物で業界の盛り上がりには貢献しなくても、そこから着物ファンが増えて、最終的には着物をあつらえる人が増える、結果的に着物業界への貢献につながる、そういうサイクルができればいいのではないかと考えています。
都合良すぎかな?
リサイクル品のコーディネートを着ている私でも、道でお褒めの言葉をいただくことがあります。中には、勇気を出して声をかけてくれたのかな?と思った若い女の子もいました。
結論
着物って、人の心を動かすような魅力があると思うのです。
着ているだけで喜んでくれる人がいるのです。
私にできることは限られていますが、これからも、大好きな着物に関わりながら、自分にできることをしていきたいと思っています。
長くなってしまいましたが、以上が私の着物に対する考えです。
これからもお付き合いいただけると嬉しいです。