あたらしい着物の教科書 木下着物研究所【本レビュー/着物関係】

レビュー

着物が好きになってから、少しずつ着物に関する本がたまってきました。

せっかくなので、手持ちの着物関係の本をレビューしていきたいと思います。

まず最初は、「もっと身近に、大人の和装スタイル あたらしい着物の教科書 木下着物研究所著」です。


木下着物研究所さんは、YouTubeで動画の発信もされています。

お役立ち情報満載なので、ご存じの方も多いかもしれません。

では、さっそく本題です。

特徴

「教科書」という名前の通り、着物に関する基本知識から、着付け、コーディネートの考え方まで網羅されています。

また、一般知識だけでなく、実用的なQ&Aも掲載されています。

ほら、実際に着物を購入したり、着たり、するようになってから出てくる疑問ってありませんか?

「些細なことだけど誰に聞くべきかわからない」みたいな。

そういう部分までカバーされているのです。

まさに、かゆいところにも手が届くような1冊だと思います。

著者の一人の紅子さんは、毎日着物を着ていらっしゃるそうで、旅行に行くときのコツなんかも記載されています。

さらに、本の中で紹介されているアイテムやコーディネートがどれも上品で素敵

眺めているだけでセンスがよくなるような錯覚に陥ります。

ただ、帯の締め方は、前結びの方が丁寧に解説されていますのでその点は注意かも。

そして、私が一番素敵だと思ったポイントは、着物を着たい人たちへ寄り添う姿勢が感じられること。

ふわっと柔らかい空気の中で、着物のことを教えてもらっているような気持ちになります。

実は久しぶりに読んだのですが、毎日着物生活への憧れとときめきが戻ってまいりました。笑

読んだ後に、「着物を着たい!」と思える本だと思います。

個人的気になったポイント

基本的な考え方

現代に合った「衣服としての着物」を考える

これです。着物初心者が求めている情報が、まさにこれなのです。

コーディネート例にしても、考え方が書いてあるので、手持ちの着物に合わせて考えやすいのです。

意外と侮れないのが足袋

足袋選びのポイント

デパートの呉服売り場や足袋専門店などで、実際に試し履きをしてみることをおすすめ

足袋って、サイズが合っていないと、とっても歩きにくいのです。

大きめのサイズだと足袋の中で足が滑ってしまうことも。

底の部分と甲の部分が縫い目でしっかり分けられているので、靴下とはまた違う感覚です。

足袋が試し履きできるとは知らなかったので、今度試しに行ってみたいと思います。

昔と現代の着物の違い

昔ながらの着物には、総柄のデザインや、色柄を多く用いるコーディネートなど、今の洋服とは違ったおしゃれセンスがありました。

これは、着物を始めた当初に起きた出来事について、理解ができた、というお話です。

私は総柄の小紋が大好きなのですよ。中古で購入した着物のうち、総柄の小紋が8割くらいを占めています。

最初の着付け教室に通っていた時(手持ちの着物持参でした)、先生と着物の催事に行ったことがありました。その時に言われたのが、

「現代の着物と昔の着物の違いを知ってね。」

うっすら嫌味なのは感じていましたが、あまりしっかり理解できていなくて。

ですが、こちらの文を読んで、はっきりとわかりました。

私の大好きな総柄の小紋が、そもそも昔ながらの着物の特徴ということだったのですね。笑

どうりで綺麗な品が格安で手に入るわけだ。

ちなみに、現代的なコーディネートをされたい方は、ベーシックカラーで無地に近い柄のものがおすすめだそうです。

盲点だけど大切なこと

下着のラインです。

着方以前に気を付けること、への回答として紹介されていました。

そうそう、たしかにそうなのです。

以前、少しだけレンタル着物店でアルバイトをしていたときの話です。

たまたま、着付けを終えたお二人が並んでいらっしゃいました。

お二人とも黒留袖で、お一人はレンタル、お一人はお持ち込みです。

並ぶと色の濃さが全然違っており、そこはレンタルがお安めなので仕方がないことなのですが、問題は腰を折った時です。

レンタルされている方が、わりと、しっかり下着のラインが出ていたのです。

これは結構衝撃で、母にも報告したほどでした。

それ以来、特に薄手の着物の時はラインが出ないようなものを付けるようにしています。

毎日着物のヒント

体をラクにしたい日は、伊達締めだけで体に優しい着方に

毎日着物を着ておられる方ならではのアイデアですね。

たしかに誰にも見られないのであれば帯無しでもいいですよね。

おうち着物へのハードルがまた下がりました。

雨の日を楽しむアイデア

雨コートをポリエステルの小紋の反物から誂える

写真で紹介されている雨コートがすごく素敵なんですよ。

黒地菊文柄、と紹介されています。菊の柄のサイズはやや大きめで全体に入っています。

色はゴールド系かな?

手持ちの雨コートは、いかにもお譲りといった柄なので、こちらのアイデア、私も真似したいと思いました。

リサイクル着物民へ

古い着物でこなれる

こちらでは、昭和の着物や帯を活かしたコーディネートの考え方が紹介されています。

古めかしさから脱却するには、帯揚げや帯締め(さらには帯)を現代のものにするとよいそうです。

(以前、同様の内容を動画でお話されていたのですが、見つけられず・・・。)

祖母や母など家族の物語がある古い着物や帯を、自分らしく今らしくモダンに着て受け継ぐこと。これも着物ならではの楽しみ方で、意義深いコーディネートです。

(私の場合は少しシチュエーションが違うけれど)、心強い言葉です。

お気に入りコーディネート

写真を載せると著作権的に問題がありそうなので、文章で表現してみます。

スーツ地ウールの着物

薄いグレーの格子柄の着物、幾何学の名古屋帯(色は黒と青の組み合わせ)、青い帯揚げ、そして帯締めが黄色!

全体的にクールな印象の中、帯締めの黄色が効いていて、すごく素敵なコーディネートです。

この配色、いつか私も挑戦してみたい。

初冬に着るピンク

淡いピンクに黒地の華文唐草の帯、着物になじむ色の淡い色の帯揚げに、赤の帯締め。

華文唐草はシルバー系の色がメインになっているようです。

淡いピンクと言えば、春に合いそうイメージですが、黒の帯を合わせて冬に着る。

しかも、そこにぱきっとした赤の帯締め。素敵・・・!

こちらも真似をしたいけれど、私にはちょっと難易度が高いかもしれません。

まとめ

かなり主観的ですが、以上、本のご紹介でした。

こちらは着物関係の本で最初に購入した本ですが、こちらの本を選んで正解だったと思います。

最初が肝心ですからね。

伝統を尊重しつつ、でも堅苦しさはなくて、初心者にとても優しい本だと思います。

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